ノーコードとローコードの違い|メリット・デメリットを紹介

2023/06/08

Webアプリ開発やネイティブアプリ開発の現場で最近脚光を浴びているノーコード。

ノーコードで開発を行えば、難しいプログラミング言語の文法やなどを習得せずにアプリ開発が行えるという魅力があります。

プログラミングコードが不要なノーコードに対し、ローコードは必要最低限のソースコードを記述しながら開発を行う手法・サービスを指します。

今回はノーコードとローコードの特長と、それぞれの違い、メリット・デメリットなどを紹介します。貴社のサイト作りにはどちらが最適か確認してみてください。

ノーコード・ローコードの特徴

まずはじめに、ノーコードとローコードそれぞれの概要と特長を解説します。

ノーコードとは

ノーコードとは、ソースコードのコーディングを行わず、プログラミングに関する専門知識がほぼ不要で開発を行うことが可能になる開発手法です。

ツールは最初からテンプレートや機能が決まっているため、小規模なアプリケーションや、単純機能のアプリケーション開発に向いています。

ドラッグアンドドロップで簡単にプログラミングを行うことができ、これまでのテキストベースでのプログラミングとは異なり、視覚的に動作を設計できるため、開発経験が浅い人でも簡単にアプリを開発できるのが魅力です。

また、ノーコードでは従来よりもスピーディーに開発できるという特徴もあります。複雑な処理であっても内容をGUI(GraphicalUserInterface=コンピュータへ出す命令や指示等を、ユーザーが画面上で視覚的に捉えて行動を指定できるもの)上でわかりやすく把握できるため、設計やバグ修正がしやすいでしょう。

ローコードとは

ローコードは、ゼロからコーディングを行うよりも、少ないプログラムコードで開発ができるという開発手法です。GUIを活用して画面上で部品を選択し、組み合わせて構築する作業が主体となるでしょう。必要に応じてソースコードを書けることも特徴のひとつです。

利用できる機能は限定的ですが、ローコードは再利用可能な機能構造を利用することで、高い拡張性を確保することができるでしょう。

あくまでもコードを記述する機会が少ないだけで、一部は従来のプログラミングと同様にコーディングを実施する必要があります。ただし、ノーコードと比べると開発の自由度は高く、独自性の高いアプリが開発できるのが特徴です。

ノーコードとローコードの違い

ノーコードとローコードは混同されがちですが両者は別物です。大きく分けて3つの部分で違いがあります。

コーディングの必要性開発の自由度開発スピード
ノーコードなし中程度速い
ローコード必要最低限のコーディングが必要高い速いがノーコードには劣る

以上のように、コーディングの有無や開発の自由度、開発スピードがノーコードとローコードでは異なってきます。

ノーコード・ローコードが流行している背景

現在、ノーコード開発は世界的に注目を集めています。ノーコード開発が注目を集めている背景として考えられることは、IT人材の不足やクラウドサービスの普及、問題解決に求められるスピードの高速化、事業のスモールスタート化です。

最近では、個人の価値観や趣味嗜好がますます多様化しており、企業はその多様なニーズにあわせていくことで他社との競合優位を得る必要が出てきました。

その需要に対してITエンジニアの数は圧倒的に少なく、優秀なエンジニアを確保するコストは非常に大きくなっています。

そのため、コストを抑えるためにもビジネスをスモールスタートさせる企業が増えているのです。

また、クラウドサービスの普及も流行の背景としてあるでしょう。クラウドサービスとしてノーコードを提供すれば、環境構築をせずともすぐにアプリ開発に取り組めるため、両者は非常に相性が良いのです。

ノーコードツールについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

ノーコードとは?特徴や自社に導入するメリットデメリットを紹介

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ノーコードとローコードのメリット

ノーコード・ローコードについて解説してきましたが、ノーコード・ローコードのメリットはそれぞれどんなところにあるのでしょうか?詳しく解説します。

ノーコードのメリット

ノーコードとは、ソースコードのコーディングを行わず、プログラミングに関する専門知識がほぼ不要で開発を行うことが可能になる開発手法とお伝えしました。

ノーコードのメリットは、大きく分けて3つあります。

  • プログラミング知識に詳しくなくても活用できる
  • 開発コストを削減できる
  • 開発期間を短くできる

以上の3つのメリットについて解説いたします。

プログラミング知識に詳しくなくても活用できる

ノーコードのツールは、最初からテンプレートや機能が決まっているため、プログラミング技術に関する高度な知識は必要ありません。ドラッグアンドドロップで簡単にプログラミングを行うことができ、これまでのテキストベースでのプログラミングとは異なり、視覚的に動作を設計できるため、開発経験が浅い人でも簡単にアプリを開発できるのが魅力です。

プログラミング言語の文法は複雑なものも多いとともに、プログラミング独特の概念を数多く覚える必要もあり、学習に時間がかかります。

もちろん最低限の学習や知識は必要ですが、ゼロから開発に取り組む際のハードルは大幅に下がるでしょう。

開発コストを削減できる

ノーコード開発はソースコードを使わないことから、最低限度のIT知識があれば開発が可能であるため、新たな人材の育成が必要ありません。

コードを使ってアプリ開発をする場合、アプリ開発に必要なコードを習得した人材を確保したり、専門業者に外部発注したりしなければなりませんでした。

しかし、基礎的なIT知識を持っている人であればノーコード開発でアプリを開発することができるため、人材育成にかかる費用が削減できます。

IT社会となった今日、最低限のIT知識を持っている人は一定数おり、外部発注をする必要性が低く、コストを削減できるというメリットもあります。

また、これまでのアプリ開発では、SIer(事業やサービスを請け負う企業SystemIntegrator(システムインテグレーター)の略)へ外注する際に多大な費用がかかっていました。

ノーコードツールを用いれば、多くのアプリを内製化できます。また、同じアプリをスクラッチで内製化する際と比較しても、開発コストは大幅に短縮されるでしょう。

開発期間を短くできる

ノーコード開発は、開発期間が短いことも大きな利点です。ソースコードを書く必要がなく、さらにプログラミング言語やコーディングのスキル・知識を学習する時間も不要であるため、開発期間を大幅に短縮できるでしょう。

アプリケーションによっては、最短で1日程度でリリースすることも可能です。開発時間が短いことは、競合よりも優位に立つ大きな要因となります。

ノーコードでの開発をおこなう際は、既存のパーツを組み合わせることによって新しいアプリケーションを作り上げます。

ソースコードをはじめから記述していく場合と比べると、ほとんどエラーやバグが起こらず、安定性の高いプログラムが作れるという点もメリットのひとつです。

できあがったアプリケーションのエラーや、バグの修正のために必要となる作業や時間も削減できます。

ローコードのメリット

ローコードは、0からコーディングを行うよりも、少ないプログラムコードで開発ができるという開発手法とお伝えいたしました。

次に、ローコードのメリットを3つ解説します。

汎用性と拡張性が高い

ローコードのメリットは、ノーコードでの開発よりも汎用性や拡張性が高いことです。ローコード開発は、通常のシステム開発よりもソースコードの記述量を圧倒的に少なく抑えられ、気軽にアプリケーションやソフトウェアを開発できます。

いったんシステムを開発した後に、「動作スピードをより高速にしたい」「特定の機能を追加または削除したい」といった希望が出てくる場合も、ローコードであれば「コードを直接記述できる」というある程度の自由性も手伝い、機能の拡張や改修もしやすくなっています。「他システムと連携して機能拡張を行う」「プログラミングの構造を組み合わせて複雑な処理を行えるようにする」といった作業も可能です。

ソフトウェア開発のためのハードルが低いうえに、少ないとはいえコードの記述もできるため、ユーザー側で機能を自由に実装できる汎用性や拡張性のある開発方法なのです。

制限が少ない

ローコードは、開発ツールやプラットフォームが取り決めている仕様の範囲内の制限が少ないです。ローコードはコードを記述する機会が少ないだけで、一部は従来のプログラミングと同様にコーディングを実施する必要があります。ノーコードと比べると開発の自由度は高く、独自性の高いアプリが開発できるのがメリットです。

既存システムとの連携ができる

優れた柔軟性があり、異なるソフトウェアやシステムとの連携が可能であることも、ローコードのメリットでしょう。オンプレミス環境やクラウド環境でも稼働させることができ、外部のソフトウェアの統合にも活用可能で、社内利用の既存システムと連携させて利用できます。

複雑な権限設定が必要となるような部署間を跨ぐシステムも、ローコード開発であれば可能です。そのため、ローコードは広範囲な開発をしたい場合であっても利用できます。

ノーコードとローコードのデメリット

最後に、ノーコードとローコードのデメリットをそれぞれ紹介します。

ノーコード・ローコードを活用すれば、システム開発のハードルを下げられます。デジタルシフトをいっそう進められるようになることが期待できるので、デメリットも認識し、うまく導入していきましょう。

ノーコードのデメリット

これまで紹介したように、ノーコード開発にはさまざまなメリットがあります。しかし、スクラッチと比べるとどうしても実装できる機能が限られるノーコードには、いくつかのデメリットが存在するのも事実です。

ノーコードにおけるデメリットについて見ていきましょう。

大規模開発には向かない

ノーコードツールは、開発のスピーディーさや簡単さを意識して設計されたツールです。比較的シンプルで小規模な開発には効果を発揮しますが、プラットフォームによって提供されている機能以上のものが作れないため、大規模な開発には向いていないでしょう。

特に、企業で本格的に開発したいと考えている場合は注意が必要です。企業で運用するような大規模なデータは、ノーコードツールで扱いきれないこともあります。また、複雑なアルゴリズムを組み込むのも、ノーコードツールでは難しいでしょう。

自由度や拡張性が低い

ノーコードは、既にプログラミングされたアプリケーションの中での操作になり、自由度や拡張性は低くなってしまいます。通常の開発であれば、コードを追加することによってさまざまな機能をアプリケーションに実装させられます。

しかし、ノーコードでの開発が可能なツールはコーディングが不要な分、使える機能やテンプレートがもともと決まっています。そのため、プラットフォームによってはじめから提供されているもの以上には、機能が拡張できません。

ローコードのデメリット

次に、ローコードのデメリットについて紹介します。

ローコードは、0からコーディングを行うよりも、少ないプログラムコードで開発ができるという開発手法で、必要に応じてソースコードを書くことができるツールです。

ローコードのデメリットは大きく2つありますので、以下で詳しく解説いたします。

セキュリティ管理がプラットフォーム依存

ローコードはセキュリティレベルがプラットフォームに依存するケースが多いことに注意しましょう。ローコード開発は、ツールに備わっている標準機能やテンプレートをベースに開発します。利用するツールやプラットフォームのサポートが終了した場合、今まで開発したシステムの運用や保守、バージョンアップに悪影響を及ぼすリスクがあります。このような運用リスクを回避するため、ローコード開発を採用する際は、慎重にツールを選ぶことをおすすめします。

複雑な要件には不向き

従来の開発手法は、顧客の要望に応じて一から作り上げるオーダーメイド方式が主流でした。オーダーメイド方式であれば、顧客が希望する細かな機能やデザイン要望にも対応することが可能です。

一方、ローコード開発の場合、開発ツールに用意された部品やテンプレートを使ってシステムを構築します。そのため、細かいビジュアルや機能が要求されるシステムやアプリケーション開発には不向きといえます。

ノーコード開発なら「どこのあわ」にお任せください

「どこのあわ」では、bubbleを使ったノーコードアプリ開発を行っています。ノーコード黎明期から一貫してプロダクト開発を続けてきた実績があるため、高いデザイン性と高品質なアプリの開発が可能です。

実際にデザインを見て、触って、アプリを体験できることがどこのあわの強みです。

作りたいアプリの課題検証や、カスタマイズが必要なところを事前に把握できるため、完成イメージがずれません。

また、アプリの開発を構想段階から一緒に伴走し、企画段階から運用業務の設計、現状業務の分析まで、一貫してお手伝いいたします。

コストをおさえて短期間でのアプリ開発を目指しているなら、ぜひ一度どこのあわへご相談ください。

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まとめ

今回はノーコード・ローコードの概要と特徴、両者の違いやメリット・デメリットを解説しました。ノーコード・ローコードを活用すれば、システム開発のハードルを下げられます。デジタルシフトをいっそう進められるようになることが期待できるので、メリット・デメリットを認識して貴社に合うツールを見つけてください。